本物を目指して

本物の時代と呼ばれています。

我々の属する業界(金融業界の中の金融IT業界?このくくりも自分たちを狭めるので??ですが)の本物はなんでしょう?

たとえば、ワイン。

ワインの本物は、わかりますか?私は正直わかりません。栽培地域やブドウの収穫年、栽培者、
ぶどうの摘み方などなどさまざまな製造者の想いを理解して味わう。その結果の渋い味ワイも美味しさに変わるということではないかと勝手に理解でしているのですが、いわゆる通(プロ?)にしかわからない世界です。
通の皆様はそんなじゃないというご意見だと思いますが、素人にはそんな世界に見えてしまいます。


ワインなど通向けの商品は、一般大衆には差別化を理解させ難く、さらに30年寝かした深い味わいなど時間をかけた分の提供コストの増加の割には、消費者には理解させがたく、製造者が思うほどの付加価値分の価格転嫁はできずに、製造者のリターンが少なくなっている世界と思われます。
マーケットが小さいところに、同じようなコンセプトで競合するので差別化を訴求するのが
難しいマーケットなので仕方のない話です。

私どもが扱う、金融商品の情報サービス。
その根本の金融商品(ワインと同じです。)も、大衆には非常にわかりにくくなっています。

例えば投資信託。ブレンドウィスキーで考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば国内株式投信はいろいろな国内株式(たとえば様々なシングルウィスキー)をファンドマネージャー(ブレンダー)が、個々の銘柄の特徴を一口一口味わいながら、微妙な加減でブレンドしていくのです。

投信の場合は、混ぜた樽でさらに熟成発酵が進み、途中で銘柄を入れ替えたり、足したり引いたりするからもっと複雑になります。ただ、投信は個別銘柄の混ぜ具合も重要ですが、その結果のリターンが
ある程度、投資家(購入者)の目標に合致していれば満足いただけます。

そこで、表題に戻るわけですが、金融商品にも本物と偽物があるわけです。
誰が見ても偽物は論外ですが、本物っぽく見える偽物を如何に購入者にわかり易く伝えるかということに
日々金融情報を提供していて腐心します。

”金融世直し隊”(尊敬する方からの年賀状のお言葉を引用させていただきました。)として、
今年はこの課題を一歩づつ解決するために動きたいと思っています。

金融商品のカラクリを少しずつ解き明かして、おいしい話に引っかからないような投資家を日本に
いっぱい作って、金融商品も本物だけが残るようにしたいですよね。



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コメント (3)

投資信託に偽物があるとはびっくりしました。ぜひ偽物なるものをその根拠と一緒に2,3個発表してくださいよ。
わかりやすく伝えるって、「これが偽物です」って言えば一番伝わりますよ。

コメントありがとうございます。
私の考える偽物(刺激的な表現ですね)の定義ですが、低利の時代に年利20%なんていうのは論外ですし、そんなおいしい話はありません。
そもそも投資家が投資信託を購入する目的は、金融資産を増やす、儲けるためというのが多数ではないでしょうか。
その儲けを実現したいという考えにのっとっていない投資信託は偽物ではないかと思います。
逆に本物は毎年収益を上げて、きちんと儲けさせている投資信託です。

しかし、実際に販売されている投資信託の中には、投資家の儲け心をくすぐるテーマや売り文句で設定されたものや、運用成績が思ったほどあがらずに、投資家に大損させたまま、勝手に運用をやめてしまう投資信託もあったりします。
基本的に運用会社も販売会社も儲からなければ会社を継続できないわけですし。
運用会社の手数料は原則的に運用資産の残高に一定の料率を乗じて計算されますので、運用資産が増えれば増えるほど、儲かるわけです。
運用資産を増やすには、個人投資家にウケればなんでも良いわけです。
たとえば「企業の社会責任」や「ご当地企業」などのテーマ(たくさんありますよね。)で販売されたりしますが、運用会社はそのような企業に該当すると思われる銘柄を組み入れて運用するわけです。

その場合に、運用会社はかならずしも、これらの企業の株式は儲かると思っているのではなく、個人投資家が喜んで買いそうなテーマを探して運用しているに過ぎません。
個人投資家の心をくすぐる一見儲かりそうな投資信託に惑わされることなく、本当に個人投資家に儲けてもらうための努力をしている、運用会社、投資信託を選んでいただければと思います。
そんな投資信託もありますので、是非、色々な角度から金融商品を眺めてみてください。
ずばり、これが偽物だは会員サイト(そのようなサイトは今はないですが....)で本音を語れればと思います.....。色んな意味で語れない部分もあったりします。弊社の場合も。

前回の私のコメントに誤解を生む表現がございましたので、補足させていただきます。
「低利の時代に年利20%なんていうのは論外ですし、そんなおいしい話はありません。」の表記ですが、

「というような、売り文句でお勧めしているものは購入者の無知を逆手にとっているのでご注意をと」いう意味です。

現在、特に昨年は年利20%を越えているものも沢山あります。現に、それらの投信は海外の市場に投資しているものも多く、円安の恩恵もありさらに良い収益率を生んでいました。
そこで問題は、そのような収益が今後も継続するかです。今年もここまでは絶好調ですが通年では数%になるかもしれないし、来年は基準価格割れをを起こすかもしれないのです。たまたまのブームなのかも知れないのです。収益率はあくまでも過去の数値を基にした瞬間風速みたいなもです。バックミラーを見ながら運転しているようなものです。今までは、なだらかな道でしたが
急にヘアピンカーブが迫ってくるかもしれません。バックミラーだけを信用して運転すると事故になりますよね。

個人投資家は時間を見方にできます。
長期にわたり、安定して成長する市場や銘柄を組み入れている投信を探して購入していくというのが持論です。それには、国を見る目、法制度や経済状況、それらの国に属する企業の状況や国民性など様々な視点で調査する必要があるのです。
簡単なものではないのです。

弊社は、「難しいものを簡単に」「難しい。だから面白い」という視点で皆様にお役立てできる情報サービスを提供できればと考えてます。

弊社の得意な金融工学というのを使うと、今までに見えにくかったものが、見えてきたりもします。次回は金融工学についてお話します。

注意しますが、金融工学で全てが見えるわけではありません。全て見えるのは神様だけです。所詮人間ですから。

それには運用会社や販売会社のはやり言葉にのせられない、知識と投資に対するポリシーを持たねばならないと思います。


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